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 テータテート〜内緒話〜

もう遅いのかもしれない、けれど

「ミツバチが帰ってこないんですよ」
 クローバーの葉かげで、ヒキガエルの奥さんがため息をつきます。
「それは困りましたわねえ」
 私はあいづちをうちながら、陽に干していたミノムシのぬけがらをぽんぽんと叩きました。成長したミノガたちが残していったぬけがらは、丈夫な織物のようで何かと重宝なのですが、最近はめっきり数が少なくて、今年は探すのにずいぶん苦労しました。これらを切り開いて縫い合わせ、私と妹のコートに仕立てるのが毎年の楽しみだったのですが。
「デイジー、デイジー、裁ちバサミを取ってきてちょうだい」
 キンポウゲの花の向こうに声をかけると、はあい、というのどかな声が聞こえました。
 
 庭の水仙よりも小さな私たちのことを、人間は『小人(こびと)』とか『妖精』と呼んでいるようです。がんらい小人と妖精は全く別なのに失礼な話ですが、まあいいでしょう。どのみち、彼らの目に私たちの姿が見えることはめったにないのですから。そのかわり、私たちも人間のことを『大きな赤ん坊』と呼ぶことにしています。なにしろ彼らときたら、私たちの何倍も身体が大きいくせに、考えることはこの千年もの間ちっとも進歩していないのですから、まるきり成長の遅い赤ん坊のようです。
 
「陽射しが強くなってきましたわね。少し背中が乾き過ぎるのじゃありません?」
「いえ。もうしばらくこのままで大丈夫」
 ヒキガエルの奥さんは目を細めたままで、お日様の恩恵を楽しんでいます。
 木もれ日の満ちる春の庭には、柔らかい苔が少し露を帯びてビロードのように広がっています。ヒキガエルさんはその片隅でお昼寝をするのが習慣になっています。いつも同じ場所にお腹を乗せて眠るので、そこだけ苔がすり減って茶色い敷石が見えるほどです。
「果樹園の向こうの巣箱じゃ、働きバチが帰ってこなくなって、女王バチも幼虫もみーんな死んじまったそうですよ。ああ、ミツバチがいない春なんて。今年のリンゴは実らないかもしれない。子供たちはどんどん大きくなるのに、困った困った」
 サンザシの木の枝で、私たちの話を聞いていたヒタキの若旦那がため息をつきました。
「だからって、あたしゃあんたのごちそうの一品にはなりませんからね」
 ヒキガエルの奥さんが片目をじろりと向けて木の枝を見上げます。
「ご心配なく。こちらから遠慮しますよ」
 ヒタキの若旦那は肩をすくめると、青い羽を広げて飛び去ってしまいました。

 私たちの棲むこの庭からずっと離れた場所に、果樹園はあります。
 ミツバチの様子が何かおかしいのは、今に始まったことじゃありません。もう何年も前から、果樹園で働くハチたちが風に乗ってふらふらとこの庭に立ち寄っては、『だるい』だの『リンゴの蜜ばかりで飽きた』だのとグチをこぼしていたことを、私は知っています。そうして、一昔前には考えられなかったほど簡単に、彼らが病気にやられてしまうようになったことも。
 何よりも大切な女王様や幼虫を放っておいて、ミツバチはどこへ行ってしまったのでしょう。長いかくれんぼでもしているのでしょうか。

 庭草をかき分ける音がしました。てっきり妹が来たのだと思って顔を上げた私は、恐ろしさに震え上がりました。
 ぷっくりした白い手がこちらに向かっています。慌てて飛びのいた私は転んでしまいました。とっさに悲鳴をあげようとしましたが、ぷっくり指に捕まってしまいました。
「……妖精?」
 大きな、大きなヒスイ色の目がこちらを見ています。二つに束ねた明るい色の髪と水色の帽子と――人間の女の子です。驚いたことに、この子には私の姿がはっきりと見えているようです。
 悲鳴をあげるのはやめです。私はつまみ上げられたまま、女の子の丸い鼻先を指差して言ってやりました。
「失礼な。よく見なさい、私のどこに妖精の羽が見えて? 私はアニス、あなたがたが言うところの小人(こびと)です。だいたい今どき妖精なんていやしないのよ。分かった? 分かったら離しなさい、大きな赤ん坊!」
 ところがヒスイ色の目はなまいきにも言い返してきました。
「あたし赤ん坊じゃないわ。もう六歳だもん」
「フン、私から見れば人間なんてみんな赤ん坊ですよ。それにあなた、草の中をはいはいしてきたんじゃないの」
「はいはいじゃないもん。指輪を探してただけだもん。あ、痛っ」
 女の子が急に手を離したので、私は草の上にまた転がってしまいました。パチッ、パチッと音を立てて、女の子の顔や手に何か小さなつぶてが当たっています。
「このいたずらっ子! アニス姉さんから離れなさい、離れないと……」
 見ると、妹のデイジーでした。スズメのあご骨で作った弓の弦に光るつぶてを挟んで、女の子に狙いを定めています。ところが女の子は怖がるどころか顔を輝かせました。
「あった、あたしの指輪!」

 どうやらデイジーが使った光るつぶては、女の子の落し物だったようです。細い針金をらせんに巻いてビィズ玉を通した、手作りの指輪です。
「がっかりだなあ、小人さん。これおばあちゃんが作ってくれたんだよ」
 女の子は芝草の上に腰を下ろして、残念そうにため息をつきました。指輪のビイズ玉はさっきデイジーがいくつか使ってしまったので、端のほうは針金がむき出しになっています。
「知らないわよ。あんたの落し物だなんて思わなかったもの。キラキラ光るし、大きさが手ごろだからコートの飾りボタンにしようと思ったのに、あたしこそがっかりだわ」
 デイジーはばつが悪そうにそっぽを向きました。
「コート? 小人さんもコートを作るの? すてき、どんな?」
 女の子は大きな瞳を輝かせて顔を近づけてきました。なんとまあ、くるくると表情を変える子でしょう。それにこの目ときたら。金茶のまつげの下でヒスイ色の炎を包んだみたいな色をして、さっきからちっとも私たちを怖がっていません。この態度はちょっとしゃくに障ります。
「そんなことより。あなたね、私たちを見て不思議に思わないってどうなの。それに六歳にもなってなぜ私たちの姿を見たり、声を聞いたりできるのかしら? そりゃ、うんと小さい子には私たちが見える時があるのを知ってますけどね。普通は文字が読めるようになると見えなくなるものよ」
 腕組みをして見上げる私に、女の子は誇らしげに胸を張って言いました。
「だってあたし、小人さんや魔法のお話、いっぱい聞いて慣れてるもん。あたし、魔女の血を引いてるの。おばあちゃんは本物の魔女だったんだよ!」
 
 ヒヨスに毒ゼリ、ヒキガエル。
 それにマジックハーブのもろもろと。
 大鍋で煮込んで魔法薬を作る魔女と言われる女たちが、昔たしかにいました。けれど。
 女の子を見上げていた私たちは顔を見合わせ、ぷーっと盛大に吹き出してやりました。デイジーなんか、お腹を抱えて大声で笑い転げています。
「魔女だって? 魔女だって? いまだにそんなことを言う子がいたなんて」
 ようやく息がつけるようになった私は、不満そうに口を尖らせている女の子に向き直ってちょっと意地悪を言いたくなりました。
「いいこと、お嬢さん。この世に魔法なんて都合のいいものはないの。魔女なんて、人間の空想。おとぎ話の中にしかいないのよ」
「くうそうじゃないもん! おばあちゃんは、本当に魔女だったんだから!」
「ほう、ではあなたのおばあさんは魔法薬で悪魔を呼び出したりしたのかしら。それともホウキで空を飛んだ?」
「違うけど……違うけど……」
 女の子は指輪をぎゅっと握り締めながら目をしばたたきました。
「だけど、魔女だもん。それに空なんか、ヒコーキで飛べばいいじゃない」
 
 その時です。空の向こうから機械のうなり声が聞こえてきました。
「姉さん」
 デイジーが青ざめてしがみついてきました。
「来る、白い悪魔が来る!」
「だ、大丈夫よデイジー。大丈夫。このお庭にはきっと来ないわ」
 妹を抱きしめながら、私も怖くて耳を塞ぎたくなりました。
「白い、悪魔?」
 首を傾げた女の子は、不思議そうに私たちを見ています。
「ええそうよ。鉄の鳥が降らせる白い雨。あの悪魔の雨を浴びたら、呼吸ができなくなって草も虫もみんな死んでしまう。知らないの?」
「ああ、それって」
 女の子は遠ざかっていくうなり声のほうを見上げました。
「果樹園や畑の悪い虫をやっつけるお薬のことでしょ。ときどきヒコーキで撒くんだって。おばあちゃんは嫌いだって言ってるけど」
「悪い虫って何よ、あたしたちも悪い虫なの? あの白い雨のせいで仲間はみんな死んじゃったわ。コオロギも、バッタも、コガネムシも。あたしと姉さんでこのお庭に逃げてくるまでどんなに怖かったか!」
 泣きじゃくるデイジーを見て困ったような顔をしていた女の子がぽつりと言いました。
「だってあのお薬を撒かないと、パパはお仕事ができないもん。それと、コオロギって何?」
「コオロギはコオロギよ。まさか知らないとか言うんじゃないでしょうね。それともからかっているの?」
「ううん、本当に知らないの」
 私がにらむと女の子はもじもじと髪を引っ張りながら目を伏せました。
「あのね、ママが虫きらいって言うから、パパはお家のまわりの虫はいつもきちんと退治していたの。それにお家にいるときは、あたしあんまりお外にでられなかったんだ。コンコンって咳が出て止まらなくなるから。農場に近すぎて、お薬の混じった風を吸い込んじゃうのがいけないんだっておばあちゃんが言って、ここのお家に越してきて、やっとお外でも平気になったの」
 ああそれで、と私は合点がいきました。私たちは長い間この庭に住んでいるのに今まで女の子を見たことがなかったのは、そういうわけだったのです。面倒くさいと思いながら、私は教えてやりました。
「コオロギというのはね、茶色い服を着て、草の中でぴょんぴょん飛び回ったり、セレナーデを歌ったりする陽気な虫よ」
「虫が歌うの? すてき! あたしも聞きたい」
 草の中を見回す女の子に、デイジーが軽蔑したように言いました。
「本当にものを知らない子ね。コオロギは秋の虫よ。一度夏がきて、もう一度涼しくならなきゃ歌わないのよ」
 無事に生まれているならね、と私はため息をつきました。
 
 畑のコオロギたちがみんな死んでしまった年は、本当に寂しい秋でした。でもここの庭は無事でしたから、春になって土の中から小さい赤ちゃんコオロギがはい出してくるのを見たときはどんなに嬉しかったか。
 けれど、次の年の秋。大人になっても歌えないコオロギが何匹かいました。お母さんコオロギの中には、卵を産むための管が歪んで生えている者がいました。その年、土の中に産みつけられた卵はちょっと数が少なかったと思います。そして次の年も、また次の年も、歌えないコオロギの数は増えていき、卵の数は減っていきました。
 今年はまだ赤ちゃんコオロギの姿を見ていません。まだ土の中で眠っているのでしょうか。それともミツバチのように長いかくれんぼをしているのでしょうか。
 
「小人さんっていろんなことを知ってるんだね。あたしは虫さん好き。お花も好き。ここのお庭は鳥さんも来るから好き」
 歌うように言って、女の子はないしょ話をするように声をひそめました。
「あのねあのね。おばあちゃんが鳥さんのためにエサ台を作ったの。ヒマワリの種や果物を置いておくんだって。かわいい小鳥さん、いっぱい来てくれるといいなあ。でも猫さんには言っちゃだめだよ」
「言いませんよ、ばかばかしい」
 うんざりしてきました。小鳥のためのエサ台だなんて、人間の考えそうなことです。
「いまごろ何よ、わざわざそんな物を作らなくたって、もともと小鳥は何百何千といたのよ。人間があの白い雨を降らせるようになってから減ったんじゃないの。虫を食べた鳥たちがぼたぼた地面に落ちてくるところ、あんたにも見せてやりたかったわ」
「デイジー!」
 私が妹の袖を引っ張ってたしなめようとした時、女の子のひざの上で小さな音がしました。指輪の針金から抜け落ちたビィズ珠と、それより大きな粒がヒスイ色の目からこぼれる音でした。
「ごめんなさい」
 消えそうな声を残して、女の子は立ち上がり、走り去ってしまいました。

 
 雨が降っています。
 私は木のうつろの家の中で針仕事をしながら、だまって雨音を聞いていました。
 雨は農場にも降っているでしょう。あの鉄の鳥が降らせた白い薬は洗い流され、川に流れ込んだでしょうか。川に棲む小さな虫は大丈夫でしょうか。その虫を食べる魚たちは? その魚を食べる鳥やアライグマたちは?
 あるいは雨は地面に沁みこんだでしょうか。沁みこんだ雨は長い旅の末に、地下の水脈に混じったでしょうか。どんな泥水だって、その頃にはろ過されてまたきれいな水になっているはずです。けれど薬は? どうなんでしょう、私にはわかりません。
 水脈は、農場から離れたこの庭にも通じています。庭の木も花も、地下水の恩恵を受けています。そして草を食べる虫たちを養うのです。
 もしも、もしも。あの白い薬の毒がまだ消えずに残っていたら。
 大人になっても歌えないコオロギ、生まれて来ない幼虫……
 ああ、悪い連想です。私は頭を振りました。こんな怖ろしいことを考えてしまうのも、きっと雨のせいです。たった六歳の女の子に意地悪を言って、泣かせてしまったせいです。
「言い過ぎたとは思ってないわよ。人間は大きな赤ん坊なんだから、ぴしっと言って教えてやらなくちゃ」
 デイジーは独り言のように言いながら、雨と泥で汚れたビィズ珠をていねいに磨いています。女の子が落とした後、捨てておくのかと思ったのに、妹は全部拾い集めて帰ったのです。
「飾りボタンにするには多すぎるわねえ……」
 色とりどりのビィズを床の上に広げて、デイジーはため息をつきました。

 翌朝、雨上がりの庭はいい花の香りが満ちていました。
 見上げると、バラの茂みで雨粒を連ねるクモの巣が宝冠のように輝いています。
 けれど私と妹はなんだかどんよりしたまま、カタツムリが残した銀色の跡をたどって歩いていました。
「ねえおばあちゃん、このお庭が思い出の場所って本当? パパも小さい頃、ここに住んでいたんだよね」
 あの女の子の声です。妹は私を引っ張って草のかげに隠れました。隠れる必要はなかったのですが。
「そうね、まだおじいちゃんが生きていて、あなたのパパも魔法を信じていた頃」
 女の子とは別の声がしました。声の主の木靴が見えます。そのまま目の前を通り過ぎるかと思いましたが急に立ち止まったので、何事かと見上げると――その人と目が合いました。おびただしい花や草の中を探ることなく、女の子とよく似たヒスイ色の目が真っすぐに私と妹を見ています。
「変わらないのね」
 そうひと言だけ言って微笑み、木靴の人はふわりとエプロンを広げてしゃがみました。
「ここに植えるの?」
 女の子もしゃがみました。手に黄色い水仙の苗を持っています。
「そう、ここに。まだ今は一株だけど、来年はもっと花の数が増えて賑やかになるわよ」
「ふーん、でもなぜ水仙なの? もっと大きいお花植えようよ」
「いいのよ、これはおばあちゃんからこの庭へのメッセージだから」
 植え終わった二人が立ち上がると、黄色い花からかすかな匂いがこぼれました。
「ねえおばあちゃん、この庭の虫さんは死なないよね。おばあちゃんは強いお薬なんてまかないよね」
 心配そうな女の子の声に、木靴の人があっさり答えます。
「あらあら、魔女だって時には虫退治くらいしますよ」
 虫退治、という言葉を聞いて私たちはぎょっと顔を見合わせました。けれど私もデイジーも知っています。魔女は庭のハーブや油を使って、本当に必要な時にしか虫を殺さないことを。あの白い雨のように、私たちの仲間を根絶やしにしたり、コオロギの体をおかしくするような魔法薬は作らないのだということも。

「さあお水をあげましょ。それが終わったらパパに電話しなさい、今夜はおばあちゃんのお家で一緒にお食事しましょうって」
「パパに? わあい、おばあちゃんとパパ、仲直りしてくれるんだ」
「まだ仲直りはこれからよ。でも親子ですからね、何度でも話し合えばいいの」
 女の子がジョウロを抱えて跳ねるように走り去った後、木靴の人は庭を振り返ってつぶやきました。
「ええ、何度でも。あの子も思い出すはずよ。小さな生き物に愛されなければ、この庭も私たちも生きていけないんだって」
 でも、もう遅いかもしれない、と私は思いました。人間の何倍も永く生きてきた私たちも、あの白い雨を浴びてからはあまり元気ではありません。姿かたちこそ若い頃と変わりませんが、もしかしたら最期の日が近いのかもしれないのです。そして私や妹の次の世代が生まれてくることは、おそらく永遠にないでしょう。
 それでも、虫たちがいます。鳥たちもいます。ヒキガエルもトカゲも、美しい花々もキノコもいます。ここにはまだ新しい生命を生み出す力が残っているはずです。私は妹の手を取って、静かにその場を離れました。


「さあて、仕事仕事。アニス姉さん、手伝って」
 妹のデイジーは腕まくりをして大きな針を抱えました。マユガからもらった生糸を紡いで松ヤニで固めた、丈夫な糸を通します。
「わざわざまたビィズをつなげるの?」
「ただつなげるだけじゃないわよ。まえのよりずっと立派な指輪を作ってやるんだから」
「ふふ、それにこの珠を返す口実にもなるし?」
 冷やかすように私が言うと、デイジーは何も言わずに笑いながらヒスイ色の珠を針に通しました。もう三十年も前でしょうか、小さな男の子が庭の隅に埋めた「たからもの」です。男の子を気に入っていたデイジーが、ずっと守っていたのでした。
「とか言いながら、もらうものはちゃっかりもらってるんだから」
「もちろんよ」
 デイジーは答えて胸を張りました。金色のビィズが飾りボタンのように襟元で光っています。

 さて、指輪が出来上がったらどうやって渡しましょうか。人間がするようにリボンでも掛けましょうか。それともこっそり水仙の根元にでも置いておきましょうか。

 もうすぐ陽が沈みます。
 明日が晴れるかどうかは、誰にもわかりません。

(了)

あとがき
題名にもなっている『テータテート(ティタティタ)』は黄色いミニ水仙です。フランス語で『内緒話』の意味だとか。小さな花が群れて咲く様子は、本当にお花どうしが顔を寄せ合って内緒話でもしているみたいで可愛らしいです。
黄色い水仙の花言葉は『もう一度愛して』
この花言葉だと切ない男女愛を連想してしまいますが、テータテートの小さい花を見ていると別の『愛』を感じますので、こんな童話にしてみました。

尚、文中の『白い悪魔』という表現は虫や小人から見た表現です。特定の薬剤や農薬散布そのものを非難する意図はありません。
また日本の場合、現在では農薬取締法によって農薬の使用は管理されるようになり、環境に余計な負担をかけることのないよう、関係者の方々は努力されています。少なくともこの作品で描かれたように『コオロギの体をおかしくする』というようなことはないと信じます。
環境保護と効率化の狭間で苦心されている農家の方々、養蜂家の方々に心よりの尊敬と感謝を込めて。2009.7 作者拝
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